パンくずリストのSEO効果とは?2017年最新事情

最終更新:2017-03-28 by Joe

「パンくずリスト」は、ブログやウェブメディア運営者であれば、1度は聞いたことがあると思います。一方で、パンくずリストの意味、SEO効果、など、パンくずリストについて疑問がある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日を追うごとにアルゴリズムが改善している最近の検索エンジンの、最新の傾向を踏まえて、パンくずを使ったSEOについて考えてみます。

パンくずリストとは?

パンくずリストとは、ウェブサイトにおいて、現在のページのサイトの階層構造上の位置を、ツリー状に表したナビゲーション、およびハイパーリンクの事です。ブログ記事ページやウェブメディアの記事ページの左上の方に設置されていることが多いと思います。

このような記述が一般的です。

ホーム > SEO > パンくずリスト > パンクズリストのSEO効果とは?

なお、「パンくず」というのは、皆さんもご存知なヘンゼルとグレーテルが森で迷わないように、パンくずを落としていった、というストーリに由来します。(wikiペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/パンくずリスト)英語では、Breadcrumb navigation や、Breadcrumbs とという表現が普通だと思います。

 パンくずリストを設置する目的は?

パンくずリストは、多くの場合、「SEO」、すなわち「検索結果の順位が上がる」ことを目指して、設置を検討される方が多いかと思います。

そのようなSEOの側面で「パンくずリストの設置は、検索結果にポジティブな影響をもたらすか?」という問いに対しては「ある程度もたらす」というのが、一般的な見解だと思います。

また、検索エンジン最王手、GOOGLE社も公式にパンくずリストの設置を推奨しています。

パンくずリストの働き

パンくずリストのSEO上の意味を考える前に、すこし遠回りします。

まず、「検索結果の順位がどのように決められるか」は、多くの方がなんとなく知っていると思います。そうです、「検索エンジン(Google社)のアルゴリズムによって」決まります。そのアルゴリズムは日々刻々と変化していますので、これを正確に細かく把握し、それに合わせて記事の最適化を続けるには、かなり時間と手間が必要です。

通常のブログ・メディア運営者は、そこまで膨大な労力を避けないと思いますし、おそらくそのような細かい最適化はそもそも行うべきではないでしょう。

代わりに、検索エンジン(Google社)のゴールを考えます–彼らがなぜアルゴリズムを開発改善し続けているか–それは「検索ユーザによりよい検索体験をあたえて、もっとたくさん検索エンジンを使ったり、ウェブページを閲覧たりしてもらうため」です。(※Google社の収益の大半は、ウェブ上の広告掲載によるもので、広告を見る人が増える事がそのまま収益の拡大につながります。)

そのためには、検索しているユーザが最も喜ぶ事をすればよいのです。ユーザが喜ぶためには、これはだいたいの場合、下記の2つで達成できる部分が大きいです。

  1. 検索結果で、探している情報に最も近いサイトを発見しやすくする
  2. 検索結果に、ユーザにとって付加価値の高いページをより上位に表示する

※実際に探している情報以外の情報を「付加価値」としています

ユーザが「探している」情報とは?

「お腹すいたな〜、今日は寒いので近所で鍋が食べたいなー。」と思ったので、「恵比寿 鍋」と検索します。

そして、下記が検索結果です。

検索ワードだけから推測すると、「人気の鍋の店を教えて欲しい」のか「詳しく比較検討したい」のかわかりません。もしかすると「恵比寿で鍋を購入したい」ユーザかもしれません。

検索ワード以外の情報がないので、検索エンジンは判断ができないです。そんなときは、ユーザに選んでもらうしかありません。

そこで、ページのタイトルなど、ページのサマリが、ユーザが自分の目的に最適なページを発見するのに役に立ちます。

ここで、ページタイトルの下に、緑のURLが表示されているのがわかると思いますが、2番目の食べログが、何やらパンクズリストらしきものが見て取れます。

これも、ユーザの最適なページ発見に役に立つ情報、でしょうか。この答えを、検索したユーザの気持ちになって考えます。近所でおいしい鍋を食べたい。この検索結果で、緑のURL部分は、どのくらい役に立ちそうでしょうか?

多くの人が同じ感覚だと思いますが「いや〜、たいして気にならない」「気付かなかった」というのが正直な所だと思います。検索結果で最も気になりそうなのは、「順位」「記事タイトル」「サイト名」といった所ではないでしょうか。

検索ユーザを喜ばせたい検索エンジン(Google社)が、「たいして気にしない」表示の改善にどのくらい投資するでしょうか?私は、たいしてい投資しないと思います。これは、この検索結果の表示の、現状の曖昧さの理由の一つだと思います。

もしかすると、無意識に検索に利用したワード表示が多いタイトルをクリックしてしまうかもしれません。でも、やはり気にしないかもしれません。良くも悪くも、「パンくずが検索結果に及ぼす影響」としては、そういったレベルの効果だと言えます。

パンくずを検索結果に反映させるために時間を費やすよりは、よりわかりやすいタイトルや、より質の高い記事を書く事に時間を割いたほうがよいでしょう。

ユーザにとって価値の高いページとは?

検索結果から、気になるサイトを選び、いざそのウェブサイトを表示すると、何が表示されるかは様々です。情報が薄いサイトから、検索ワード以外の、興味深い情報へのリンクが張り巡らされた大規模なサイト、様々なサイトが存在します。

大規模なサイトといえば、食べログでしょう。

あれ〜、食べログ見てたら、なんか鍋じゃなくてしゃぶしゃぶ食べたくなってきちゃったな〜。など、どんどんサイト内で、情報を検索して、気づいたら、月島にもんじゃ焼きに行くことになった、なんて事になっていました。

食べログじゃないサイトではこうはいかないかもしれません。何度も検索結果に戻ったり、検索ワードを変えたりして、ほかの別のページを見て、比べて、やっと「今日の晩御飯を決める」という本来の目的を達成するかもしません。

できるだけ、ユーザを喜ばせる。そんな名目の下、検索エンジンはいかにも食べログを上位に表示しそうです。

 

結局「パンくずリスト」は重要なの?

上記で検索の例をあげましたが、なにかパンくずが関与したでしょうか?もしかすると、気付かない所で、関与したかもしれません。でも、パンくずがある事が、何かユーザの行動の「主たる理由」じゃないのは明らかです。

かなり端的な(雑に)例ですが、実際のパンくずの重要度は、このようなレベルだと思います。

検索エンジンのウェブサイトの理解

一方で、検索エンジンの「ウェブサイトの内容」への理解が必要不可欠です。そのそも最初の「恵比寿 鍋」の検索結果において、価値のあるサイトをより上位に表示するために、「個々のサイト」について、検索エンジン自体があらかじめよく知っておく必要があります。

検索エンジンは、サイトや、ページにたいして、検索ワードとの「関連性」をかなり高いレベルで認識しています。食べログが「飲食店」に関するサイトで「地域ごと」「ジャンルごと」に区分されたサイト構造を持っている事も、もちろん知っています。

どうやって知ったのか?「クローリング(Crawling)」です。検索エンジンが、サイト内のあらゆるベージを、ページ上に設置されたリンク(内部リンク)を辿って、ぐるぐる巡回し、サイト全体の内容を理解するのです。これには、サイトの規模に応じて、通常1週間〜数ヶ月の時間がかかります。

このクローリングがうまく成功するためには、検索エンジンからわかりやすい場所に、内部リンクを配置する必要があるのです。じゃないとうまくページが見つけてもらえないです。

例えば、特定のページAにだけページBのリンクが貼ってあれば、まずページAを見つけてもらわないと、Bの存在すら認識してもらえません。どうしても早く気がついて、認識して、検索結果に掲載してほしいページXがあるのであれば、できるだけそのページへのリンクを目立たせる必要があります。

そんな時は、すべて記事ページに、ページXを配置すればいいのです。

もうお気づきかと思いますが、パンくずリストを「すべてに記事ページ」に配置されている事の効果はここで現れます。

サイトの階層構造とクローリング

冒頭のパンクズリストに戻ります。

ホーム > SEO > パンくずリスト > パンクズリストのSEO効果とは?

この階層構造をもったサイトであれば、まず、上位の「パンくずリスト」をクリックすると、「パンくずリストに関する記事がすべて一覧されている」ページが存在する事が普通だと思います。さらに上の階層の「SEO」というリンクをクリックすれば、SEO関連の記事が一覧されています。

すなわち、そこには、記事ページへの内部リンクが網羅されているはずです。この事は、検索エンジンが、内部リンクを辿ってすべての記事を発見できる事を意味します。

すべてのページに記事リストページへのリンクがある=記事リストページは直ちに認識される。また、その記事リストページ上から内部リンクがある記事ページは、すぐに見つけてもらえるでしょう。

さらに上の階層の「SEO」カテゴリのリストも同じです。SEOの上の階層には「ホーム」があります。これによって、もしこのサイトが「SEO」「HTML」「Wordpress」などの主カテゴリをもつサイトであれば、検索エンジンは「このサイトはどうやらWEBに関連する情報サイトだな」と、認識できるのです。

そんな便利な情報がいっぱいのウェブサイトは、WEB制作の情報を探しているユーザには、優先的に見せてあげたほうが、きっと喜んでもらえるでしょう。では、そのサイトのページの検索順位を上げましょう。といったロジックは、非常に自然だと思います。

パンくずがなければ、サイト構造が理解できないわけではありません。一方で、階層構造を検索エンジンにわかりやすく伝える事は、検索エンジンがあなたのサイトを素早く正確に理解する事を助けるのです。

Google社が、パンくずリストを利用してサイト構造を理解している事はGoogle社が名言し、パンくずの設置を推奨しています。

Google Developers > breadcrumbs:
https://developers.google.com/search/docs/data-types/breadcrumbs

結局、パンくずリストを設置すべき?

はい、設置すべきだといえます。理由は上記の通りです。ただし、正しく階層構造を構成し、正しいパンくずをHTMLマークアップして「検索エンジンが、検索ユーザを喜ばせる事を、助ける」ようにして下さい。

そうすれば、検索エンジンもあなたのサイトの事をよく理解し(内容の良し悪しに応じて)正しく評価してくれるはずです。

参考サイト:

クローリングの状況は、WEBマスターで確認できます。またパンクズの実装が正しく行われているかどうか、チェックするツールがあります:
https://www.google.com/webmasters/tools/home?hl=ja

Google の公式パンくずガイドラインです。:
https://developers.google.com/search/docs/data-types/breadcrumbs

Schema.org, パンクズの実装方法の教科書です:
http://schema.org/BreadcrumbList

WordPressでのパンクズの実装方法:
WordPress「パンくずリスト」の実装方法と、SEOについて